複雑性悲嘆について

大切な人をなくした後、様々な苦しい感情、思考や身体的不調を体験することは、人として自然な反応であり、この反応・プロセスは「グリーフ(悲嘆)」と呼ばれています。

グリーフの反応や過程は人それぞれに、とても苦しいものだと思いますが、時間をかけながら、少しずつ変化していきます。ただ、死別の状況やその後のサポートの有無によっては、長期にわたって苦痛が強度で、日常生活が大きく支障されてしまう場合があり、そんな時には、心理療法の専門家(グリーフについて詳しい)に相談する方法も1つの選択肢になります。

このような、グリーフの中でも専門的な対応が必要と考えられる状態は、専門用語で「複雑性悲嘆(最近のアメリカの診断基準では持続性複雑死別障害)」と呼ばれ、うつ病やPTSDなどの精神疾患の併発も少なくないと考えられています。

*詳しくは下記サイト参照ください。

NaN グリーフの基礎知識 | 日本グリーフ&ビリーブメント学会

テキストサイズ 小 |中 |大 | ,1,google01,{"servicetype":1,"designid":"google01","domeignval":"www.digitalstage.jp"} HOME  >  グリーフの基礎知識  >  複雑性悲嘆  死別によって生じる悲嘆は、正常なストレス反応であり、それ自体は病的なものではありません。しかし、ときに悲嘆反応の持続期間や強度が通常の範囲を超える“通常ではない悲嘆”がみられ、“複雑性悲嘆”と呼ばれています。以前は“病的悲嘆”と呼ばれることが多かったのですが、2000年代以降は、“病的”という表現がやや侮蔑的であることや、“通常”と“病的”の境界が明確ではないことを理由に、“病的悲嘆”に代わって“複雑性悲嘆”という用語が使われることが一般的となっています。  近年の研究では、複雑性悲嘆は、高血圧やがん、心疾患、自殺の危険性を高めると報告されています。また、うつ病や心的外傷後ストレス障害(PTSD)など既存の精神疾患との関係について、重複しつつも独立した症候群であるとの認識が拡がりつつあります。しかしながら、複雑性悲嘆の診断学的位置づけとして、現時点では精神疾患としては位置づけられていません。DSM-5では根拠となるデータが不十分との理由で、公式な精神疾患の診断基準としての採用は見送られましたが、「持続的複雑性死別障害」と称する疾患名で基準案が提示され、有病率はおよそ2.4%~4.8%であり、男性よりも女性に多くみられると示されています。  治療に関しては、複雑性悲嘆に対する抗うつ薬の治療効果を疑問視する声もあります。複雑性悲嘆に対する有効な治療法としては、認知行動療法を基盤とした複雑性悲嘆治療が開発されており、日本でも一部の研究機関において試行されています。

日本グリーフ&ビリーブメント学会

日本における複雑性悲嘆の現状分析に関する研究 

平成28年度【短期研究22】

研究体制:田中英三郎、亀岡智美、加藤寛

実際に「専門家に相談してみたい」と思っても、どこに相談すれば良いのか、相談窓口や医療機関の情報を探すのは大変かもしれません。

ウェブ上で見つけた、相談窓口や医療機関の情報を下記にまとめておきます。

■公的機関での相談窓口

武蔵野大学心理臨床センター

兵庫県こころのケアセンター

■遺族外来・グリーフケア外来のある病院


旭川医科大学病院 緩和ケア診療部 グリーフケア外来

埼玉医科大学国際医療センター 精神腫瘍科(がん患者遺族が対象)

淀川キリスト教病院精神神経科 グリーフケア外来

■赤ちゃん・子どもとの死別後のグリーフケアに取り組んでいる病院


東北大学病院 総合周産期母子医療センター

天使ママ・パパのための グリーフサポート情報局

小さな赤ちゃんやお子さんを亡くしたご家族をサポートするための情報サイトです。

0コメント

  • 1000 / 1000