グリーフに関する書籍

大切な人を亡くした後、私たちはこれまでに体験したことのないような強いショックを受け、様々な感情やからだの反応を体験します。

これらの反応、プロセスは専門用語で死別後の「グリーフ(=日本語では悲嘆)」と呼ばれています。

こちらのページでは、「死別後のグリーフとはどのようなものなのか」、「小さな赤ちゃんや子どもを失った当事者のグリーフとはどのようなものなのか」を理解し、苦しい感情や死別後の様々な課題に向き合うために必要な知識・情報が得られるような書籍を紹介しています。

*「死別後のグリーフ」全般に関する書籍

キャロル・シュトーダッシャー 著    大原健士朗 監修  福本麻子 訳

創元社 3360円(楽天ブックス、Amazonで購入可)

著者は悲嘆(大切な人との死別による悲しみ)専門のカウンセラーで、自身が両親との死別の悲しみに深くとらわれていたという体験をもっているそうです。

本は3部構成になっています。第1部「悲嘆の感情ーその理解と対処」では、死別後、私たちにどのような感情が表れるのか、そしてそのつらい感情にどう対処していけば良いのかについても前向きで具体的な対処法が書かれています。第2部「死別のタイプ」では、誰と死別したか(配偶者、親、子供など)や死別の状況(事故死、自殺など)など、死別のタイプごとに章がもうけられ、その死別に特有の問題や対策について取り上げており、自分と関連する部分だけ読むだけでも、とても役に立つと思います。第3部「助けを求める・助けの手を差し伸べる」では、残された人が周りに助けを求めるにあたっての問題点や自助グループを運営するためのアドバイス、当事者の援助をしたいと考えている人(家族や友人も含めて)へのアドバイスが具体的に書かれています。

死別の悲しみの最中にいる人にとって、これから自分がどうやって生きていけばよいのか、その指針となり、また支えとなる、とても役に立つ本だと思います。文章量が多く、通読するのは少し大変ですが、自分に必要な部分だけでもまず読まれるとよいと思います。管理人の場合、第1部と第2部の「子どもを亡くした人へ」をまず読みました。

*子どもとの死別に関する書籍

若林一美 著    岩波現代文庫 1050円(楽天ブックス、Amazonで購入可)

著者は死別の悲しみについて、長年研究されている方です。1988年~「ちいさな風の会」という子どもを亡くされた親の自助グループの世話人をされており、この本の中の具体的なエピソードはこの会の会員さんのお話をベースにしています。

死別の中でも、子どもを亡くした親の悲しみを中心に書かれています。

私にとっては、とても読みやすく、共感できる本でした。自分の悲しみだけではなく、色々な人の悲しみについて、考えさせられました。悲しみの中で大切な人の死を受け入れていくまでの過程、そして残された者が悲しみと共に生きていくということはどういうことか、考えさせられました。死別の悲しみの中にある人をどう支えていけばよいのか、また当事者同士で支え合う自助グループのあり方などに触れているページもあります。

悲しみの当事者にとっても、周りで支えようとしている人にとっても、役に立つ本だと思います。

小さな赤ちゃんや子どもをなくしたご家族の想いが、思い出の品の写真と共に丁寧に綴られていました。周囲の医療従事者からのメッセージ、子供をなくした家族のグリーフについてもわかりやすくまとめられていました。医療機関や自助グループで、当事者の方に貸し出しするのにも良い本だと思います。


アマゾンサイトより〜出版社からのコメント)

本書『空にかかるはしご』は、監修者である濱田裕子九州大学大学院医学研究院准教授の研究活動や、自身が代表を務めるNPO法人福岡子どもホスピスプロジェクトの活動から誕生した書籍で、お子さんを亡くされたご家族の「ひとりじゃないと思えるような本があったら」という声が制作のきっかけとなりました。

子どもホスピスは、重い病気や障がいをもつ子どもが、同世代の他の子どもたちのように遊び、学ぶことを通じて、成長・発達する場を保証し、家庭でのケアで張りつめた日々を過ごす保護者には一時の休息を、きょうだい児には遠慮することなく親に甘えることのできる時間や主役となれる場を提供するものです。発祥の地イギリスには40箇所以上の子どもホスピスがありますが、日本には独立した施設としては2016年に東京と大阪の2箇所で始まったばかりです。福岡子どもホスピスプロジェクトは、そんな子どもホスピスを福岡の地に設立し、重い病気や障がいを抱えるお子さんとそのご家族を支えようと活動されています。

本会では、子どもホスピスを福岡に、というプロジェクトに対し、『空にかかるはしご』の売り上げの5%をNPO法人福岡子どもホスピスプロジェクトに寄付いたします。皆様に於かれましても、是非『空にかかるはしご』をお読みいただくとともに、福岡子どもホスピスプロジェクトの活動についても関心をお寄せいただけましたら幸いです。


*赤ちゃんとの死別(流産・死産・新生児死など)に関する書籍

「ちいさな赤ちゃん あなたを忘れない」

 SIDS家族の会が刊行している小冊子で、同会のウェブサイトから購入(1冊500円、家族の会に入会すると無料でいただけます)できます。

 流産・死産・新生児死の悲嘆のプロセスについてわかりやすくまとめられています。赤ちゃんとのお別れの仕方や周囲の人へのアドバイスもあり、母親だけではなく、家族の皆さんで読まれると役に立つと思います。当事者の手記もまとめられています。

 このような当事者向けのガイド本(コンパクトでかつ必要な情報が要領よくまとめられているもの)を、入院中の病院で是非配布してほしいと、心から願っています。

「陽だまりのなかへ」

 上記と同じく、SIDS家族の会が刊行している小冊子で、同会のウェブサイトから購入できます(1冊500円、家族の会に入会すると無料でいただけます)。

 多くの天使ママさんが悩まれる、「次の妊娠・出産」をテーマにまとめられたものです。

 もう1度、元気な赤ちゃんをこの腕に抱きたいと願う一方で、「また失うのではないか」という不安・恐怖が強くて、次に進めずにいる天使ママさんは多いと思います。本を読めば答えが出るというわけではないですが、同じ悩みをもった当事者の体験談ものっており、自分の気持ちを整理する助けになると思います。


竹内正人 編著   井上文子・井上修一・長谷川充子 著

中央法規出版 2100円(楽天ブックス、Amazonで購入可)

2005年にお腹の赤ちゃんを予定日間近に、突然、亡くされた井上さんご夫婦と、その出産に直接関わった看護師長さんが、それぞれの立場で、赤ちゃんの死を振り返り、当時の気持ちについて詳細に綴っています。また、編著者の竹内医師が司会をされ、井上さんご夫婦、長谷川師長さんにインタビューした座談会も収められており、赤ちゃんを失った当事者が医療に望むものについて、深く考察されています。

この本では、ご夫婦それぞれが、悲しみをどのように受け止めていったかが詳しく書かれており、取り上げられることが少ない、父親の悲嘆のプロセスについて触れられています。夫婦であっても、悲しみ方、悲しみのプロセスは違うものなのだ、その違いを否定するのではなく、互いの悲しみのあり方を尊重していくことが大切なのだ、ということを早い時期に知っておくことは、子供を亡くした後の夫婦関係に大きく影響するのではないかと思います。

当事者の方にはもちろん、周囲の援助者の方、産科スタッフの方に是非読んで頂きたい本です。

誕生死 STILLBORN

流産・死産・新生児死で子をなくした親の会・著 三省堂 1365円(楽天ブックス、Amazonで購入可)

この本は、出産前後に子どもを亡くした体験をもつ当事者(13名の父母)が、実名で、自らの心のうちをありのままにつづったものです。

本は2002年に発行されていますが、当時は、周産期に起こる赤ちゃんの死について、公に語られることは少なく、当事者の心の支えになるような本も少なかったそうです。そんな状況の中、インターネットを通じて知り合った当事者の方たちが、自分たちの気持ちを知ってもらおう、同じような悲しい体験をした人たちにとって助けとなる本を作ろうという思いで、この本を作られたそうです。

管理人の場合、なくしてしばらくの間は思考力も落ちていたので、小難しい内容の本は頭に入らずあまり読めなかったのですが(悲嘆のプロセスについて概観するような本も自分にとって必要でしたが、読めるようになるのに数ヶ月ほどかかりました) 、この本のような当事者の体験談を集めたものやネット上の体験談、ブログは手当たり次第に読んでいました。同じ悲しみを体験した人の言葉は、抵抗なく受け入れやすく、「苦しいのは自分だけではない」と思え、心の拠り所になりました。

周囲の援助者にとっても、この本を読むと、当事者がどのような気持ちでいるのかを理解する助けになるのではないかと思います。

全215P。平易な言葉で書かれた、読みやすい本です。 

流産死産経験者で作るポコズママの会が編集した、流産・死産体験者11人の手記と4人の医療従事者のコメントを集めた本です。

私は入院中にこの本を読んだおかげで、髪の毛や爪を思い出として遺すことや、赤ちゃんにお別れの手紙を書くこと、そして娘、夫の両親、実母にも赤ちゃんに会ってお別れしてもらうことができました。